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亀田興毅内藤引退か…「これが実力」顔面壊された 【WBC世界フライ級タイトルマッチ】期待にたがわぬ殴り合いを挑んだが、国民の期待には応えられなかった。2回に興毅の左を被弾し腫れ上がった鼻。10回にも興毅のパンチで右目上をカットした。原形をとどめない顔面は鮮血に染まっていた。内藤は判定を聞くと、客席に深々と頭を下げ、リングを後にした。
「悔しいです。情けない。応援してくれた人の期待を裏切ってしまった。これが実力。本当に口だけの男です」。亀田3兄弟の次男・大毅(20)に続く亀田兄弟討ちが懸かった興毅戦。大毅戦で「国民の期待です」と勝利宣言し公約を果たしたが、その再現はならなかった。
35歳2カ月で迎える6度目の防衛戦。大声援の中、内藤が積極的に前に出て左右のフックを繰り出した。相手のガードが堅く急所のあごをとらえきれない。逆に待ちの姿勢を貫く興毅のカウンターでポイントを失った。
8回終了時には0―3のアナウンス。「取り返そうとしたけど、逆に差が開いていくんでびっくりした。でも、判定が覆るわけじゃないし、納得しなきゃいけない」。熱い殴り合いを見せようとする気持ちは挑戦者を上回ったが、逆に勝負に徹した挑戦者の術中にはまった。
戦いはそれぞれの生きざまを物語る。いじめられっ子だった内藤は高校卒業後に上京してからボクシングを始めた。「強くなりたい。オレをいじめたやつらに仕返ししてやりたい」。興毅のように小さいころから英才教育を施されたわけでもない。洗練されたストレートはないが、フェイントを駆使した変則フックと負けん気でのし上がった。
5度の連続防衛で並んでいた元WBA世界フライ級王者・大場政夫(帝拳、故人)を超える同級の日本人最多防衛記録更新はならなかった。それでも、年齢を踏まえ「負ければ引退」と戦い続けてきた内藤に対し、宮田会長は「またやる気ならチャンスを与える」と言った。大毅との戦いで全国にその名を知らしめ、興毅との雌雄を決する戦いに敗れた王者。「じっくり考えたい」と去就について明言を避けたが、このままリングを去る可能性は十分ある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091130-00000034-spn-fight